宿便の排除~健康をつくる12項~

宿便の排除
~漢方食養研究会資料より~
 野生の動物は、便秘も下痢もなく、その糞便は完全に消化されていて臭気もありません。しかも、これらの動物の腹部は、小さく引きしまっています。これに反して私達人間は、下痢をしたり、便秘をしたり、便秘のために胃腸病になったり、脳溢血を起こしたりします。
 動物は歩行に際して、背部が左右に屈伸運動をする(脊柱のゆがみを予防する)とともに、腹部は上下の波運動をします。そのため、この腹部の運動が腸管に刺激を与えて、消火器の働きを促進するのです。
 ところが、人間は、直立歩行に移ったために、力学的に内臓が下垂してきます。下垂しないまでも、大腸や小腸は次第に弾力性を失って伸びて、屈曲するようになります。その結果、腸壁に沢山のシワができ、そのために、大腸に糞便が停滞しやすくなります。この腸の内壁のシワにこべりついた古い便を宿便と言い、人間の万病の原因とされています。
 つまり、このような宿便が大腸壁に多年にわたりこべりついていますと、大腸内で腐敗発酵を起こし、有害な化学物質が自然に血液内に吸収されて病気の原因をつくっていくためなのです。
 そこで、私達人間も、ふだんから背と腹を動かす運動を行なったり、整腸作用のある生野菜を多めに摂取したりして、便秘を予防し、宿便を排除して、長命のもとになる清腸作りを心がけていきたいものです!