持病がなければ塩分を控えすぎない~正しい健康法~

持病がなければ塩分を控えすぎない
~漢方食養研究会資料・サンデ-毎日掲載文より~
 WHO(世界保健機関)が推奨する1日の塩分摂取量は5㌘。それに対し、日本人の1日の塩分摂取量の平均が約10㌘というのは多く感じる。
 塩分を取ると血圧が上がるからと、「塩=悪」のようにとらえて減塩に励む人もいるだろう。しかし、減塩すればするほど健康になる確証はなく、むしろ控えすぎもよくないという。前出の浦島教授が、ある研究結果を教えてくれた。
「17か国の男女約10万人を対象に、約3年半にわたって、1日に取る塩分量と死亡率を調査した研究があります。その結果、最も死亡リスクが低いのは、1日に12㌘。日本人の平均摂取量は問題ないと考えられる。1日5㌘の摂取に抑えている人は、12㌘の塩分を取っている人と比較して、死亡率が1.8倍上昇しています」
 塩は生きるために必要で、あまりにも控えすぎると「力が出なくなる」という。海外では囚人に対して、あえて減塩食を出し、力を奪う地域もあるのだとか。
「健康な人が塩分をゼロに近づけることには反対ですね」(浦島教授)
 ただし、腎臓病や心臓病、高血圧症などの持病がある人は控えたほうがベター。塩分を取り過ぎると、体内では塩分の血中濃度を薄めようと水分を多く摂り込んで、体がむくむ。水分で血管が押し広げられて血圧が上がり、心臓や腎臓にも負担がかかるという。