傷を乾燥させて早く治す?かえって遅くなり、きれいに治らない‼

傷を乾燥させて早く治す?かえって遅くなり、きれいに治らない‼
~漢方食養研究会資料・サンデ-毎日掲載文より~
 消毒技術が確立されていなかった昔は、多くの人が手術中の細菌感染によって命を落としていた。1800年代後半から消毒技術が向上し、感染による死亡率が低下。その延長で、切り傷やすり傷など皮膚が損傷した時には「患部を消毒してから乾燥させる」方法が正しいと信じられてきた。しかし、現代では良くない方法とされている。
「実は、傷口からジュクジュク出ている成分に、傷を治すのに役立つ数多くの成分が含まれている」と、前出・大和田医師が説明する。傷口を消毒せず、乾かしもせず、傷口から出ている滲出液を保持して患部を覆う処置を「湿潤療法(モイストヒーリング)」という
 大和田医師は、胃ろうの傷口を湿潤療法で処置することで、従来の消毒方法より治りが早いことを論文で発表している。
「浅い傷なら患部を水で洗い、その上からガーゼではなく、市販品のハイドロコロイド絆創膏を貼ればいい。やけどで小さな水ぶくれになった場合も、その水分に傷を治す成分が含まれている。破かないで上から密封して様子を見ましょう」(大和田医師)
 患部が傷を治す滲出液で満たされることで、治癒が進み、治るが早くなる。湿潤環境を保つことでかさぶたが作られず、傷跡もきれいになる。